選択と集中

「選択と集中」

この言葉は、ビジネスの世界でよく使われる言葉ですが、私たちの実生活でも活かすことが出来るとても重要な考え方だと思います。

今回は、この「選択と集中」の重要性について考えていきたいと思います。

選択と集中とは？

まずは、この言葉の意味を確認しておきましょう。

選択と集中とは、自分にとってより大切な分野を選択して、そこにエネルギーを集中させましょうという考え方です。

例えば、旭川ラーメンから沖縄そばまで、全国のラーメンを扱っているお店があったとします。

しかし、そのラーメン屋では博多のとんこつラーメンは人気で、儲けもあったのですが、その他のラーメンはほとんど赤字だったとします。

そんなときに、得意分野の博多のとんこつラーメンだけにエネルギーを集中して、より良い博多ラーメンをつくることで競争していこうという考え方が「選択と集中」です。

この「選択と集中」という考え方に関しては、賛成・反対の様々な意見があるとは思いますが、少なくない場面で生活に役立てることができると思います。

「選択と集中」のメリット・デメリット

まずは、選択と集中という考え方のメリット・デメリットについて簡単に考えていきたいと思います。

大きなメリットとしては、上のラーメン屋の例のように、利益の出る部分に集中することによって、無駄を省いて利益をより大きくすることが出来ます。

一方で、博多のとんこつラーメンだけにエネルギーを集中して、他のラーメンはつくらないという事になると、長い目で見れば、技術が落ちてしまうという可能性も考えられなくもありません。

例えばその店では、全国のラーメンをつくる経験を積むことによってはじめて、美味しい博多ラーメンをつくることができていたとしましょう。

もしそうだったとすると、博多ラーメンだけに集中してしまっては、長期的には味が落ちてしまって、ジリ貧になってしまうことは明らかです。だからといって、赤字を続けていれば、店は潰れてしまいます。ですから、両者のバランスをとることが必要になってきます。

このように、当たり前のことではありますが、バランスのとれた選択と集中が重要になってくるのです。

「選択と集中」を日々の生活で活かす

では、言葉の説明はこのくらいにして、どのように毎日の生活で「選択と集中」を活かせばよいのか考えていきましょう。

まずは、当たり前すぎるくらい簡単な例からはじめます。

このサイトでは常々、

「常識に囚われずに、素直なこころや批判的精神をもって、
自分の頭で考えることが大切です。」

と言っています。

このような「知的な自立」が大切なことについては確信を持っています。

確信はしていますが、極端になり過ぎて、「すべてのことを自分の頭で考えて理解しなければ！！」などと、無謀なことを企ててしまうのは困りものです。

過ぎたるは及ばざるが如しです。


例えば、朝、目を覚ましてベッドから起き上がるときに、

「何で体は起き上がるんだろう？常識的には、筋肉の作用で起き上がれると考えるけど、本当にそうだろうか……？」

こんなことに悩み続けていたとしましょう。

医者や、運動機能の研究者なら、そんな疑問から新たな発見をすることもあるかもしれません。しかし、ほとんどの人にとっては、どうして体が動くのかはどうでもよいことです。

ですから、そんなどうでもよいことにエネルギーを費やさずに、もっと大切なことにエネルギーを集中することが大切なのです。

もちろん、こんな極端な例では当たり前すぎて、こんなことが何の役に立つのかわからないかもしれません。

では、次のような例ではどうでしょう？

なにか、嫌なことがあったとき……。

例えば、あなたが道ですれ違った人から、何かイライラしていたのか、嫌がらせを受けてしまったとします。

そのときに、「あいつは許せない！どうやって仕返ししてやろうか！！」と、怒って仕返しの方法を考えることもできます。

しかし、それはあなたの幸せな生活に貢献するでしょうか？

そんなことはないでしょう。


もしあなたが、怒りや復讐心に囲まれて生活するのが好きなら、仕返しのためにエネルギーを割くのも良いかもしれません。

ですが、あなたが怒りや復讐心などに心を騒がされずに、落ち着いた心で幸せに過ごすのが好きだとしたら、そんなことは忘れてしまうのが一番です。

そんなことは忘れてしまって、楽しいことを考えることにでもエネルギーを集中するべきでしょう。

これも「選択と集中」の一例でしょう。

あなたにとって大切なことに集中する

大切なのは、あなたにとって重要なことに、あなたの大切な時間やエネルギーを集中することです。

あなたの生活を、注意深く観察してみてください。

あなたの大切な時間やエネルギーをどうでもよいことに費やしてしまっていませんか？

例えば、テレビ番組を見る時間は、あなたの人生を幸せに生きるために役に立つでしょうか？

テレビはあまり見ないとしたら、雑誌を読む時間は、インターネットを見る時間は、付き合いで嫌々行く飲み会の時間やお金、精神的エネルギーはどうでしょうか？

私はなにも、「娯楽も忘れて働きまくる企業戦士になれ」と言いたい訳ではありません。

例えば、休息の時間も、よりよく生きるためにはとても大切なものでしょう。

それがあなたの本当の意味での成功に繋がるのなら、どんなことに時間やエネルギーを使うのも素晴らしいと思います。

しかし、それがあなたにとって幸せをもたらさないものだとしたら、そんなことに時間やエネルギーを使うのはもったいないと思います。

人生は限られているのですから。

行き過ぎには気をつけよう

これまでに、「選択と集中」の重要性について書いてきましたが、くれぐれも行き過ぎは禁物です。既に書いたように、選択と集中では、バランスが非常に重要なのです。

例えば、「そんなこと、私には必要ありません！」と思っていたことの中に、チャンスが眠っているかもしれません。

いつも書いていることではありますが、選択と集中においても、バランスが重要ということです。