「だれも教えてくれない橋元先生のみんなの物理」 橋元淳一郎著 ‐ 本の紹介 ‐

物理は高校で一通りやったけど、苦手意識を持ってしまった……。

この本は、そんなあなたに読んでもらいたい一冊です。

著者は全国の受験生から絶大な支持を得ている
カリスマ講師の橋元淳一郎さんです。

この本も受験生向けということですが、私はむしろ高校で物理はやったけど、
イマイチよくわからないまま物理から遠ざかってしまった人に
オススメしたい一冊だと思っています。

「イメージできない。」が物理嫌いを生む

よくある物理の授業は、先生が公式を証明して、
証明した公式を使って例題を解いていくことの繰り返しです。

物理が得意な人はこれでもいいかもしれませんが、
苦手な人は、物理現象と数式の関係が捉えられずに、
公式の暗記にはしってしまい、物理に苦手意識を
持ってしまうことが多いようです。

しかし、この橋元さんの解説は「物理はイメージだ」をモットーに、
物理現象と数式の関係をわかりやすいイメージで
解説してくれます。

イメージできるようになると……

このようにイメージを大切にして物理を勉強することによって、
グラフや数式から、世の中を読み取ることができるような能力や、
逆に、世の中のことをグラフや数式で理解する能力を
鍛えることができるでしょう。

さらに、複雑な出来事をイメージを使ってわかりやすく
人に説明する能力も高めることができるように思います。

当然のことながら、筋道だった論理的な思考や、
一見当たり前と思えることに疑問を持って追求する姿勢
が身につき、考える力を養うこともできるでしょう。

このような能力は、科学者やエンジニア以外でも、
持っていれば非常に立つものだと思います。


ただし、この本を理解するためには中学の数学（二次方程式など）と、
（苦手でもいいので）高校で物理に触れた経験がないと、
少し厳しいかもしれません。

もし、高校で物理をやったことがない場合や、自信がない場合は、
この2冊とあわせて読んでみると良いでしょう。

［詳細情報］

［詳細情報］

＜この2冊はこんな本＞ 高校の物理で最初に習う力学を解説した力学編（左）と、熱や波や電気について解説した熱・波動・電磁気編（右）の2冊です。 どちらも、橋元流でわかりやすく書かれていますので、物理の勉強をしたことがない人でも読むことができます。 まずは力学編に挑戦してみて、自信がついたら熱・波動・電磁気編に挑戦するのも良いかもしれません。

ただし、この2冊も、
「エックスの2乗ってなんだっけ？」
という状態だと厳しいかもしれません。

その場合は、中学の数学から勉強が必要です。
しかし、そこまでになるとかなりの労力が必要ですから、
相当な情熱が必要です。

物理が苦手なあなたへ

気合を入れ過ぎて、完璧を目指す必要は全くありません。

物理が苦手なのであれば、例えば、

『「橋元の物理をはじめからていねいに」の力学編と、
この本のテーマ1～7（力学の範囲）だけ頑張る。』

と決めてやるだけでも、十分です。

極端な話、運動方程式だけでもしっかり理解できるようになれば、
あなたの「物理の勉強による頭のトレーニング効果」は
相当なものになると思います。

そして何よりも、わかり始めてしまえば、
物理が楽しく、面白いものに変わってくるでしょう。

楽しめるということが、得意になることの最高の秘訣です。


最後に、出鼻をくじくようで申し訳ありませんが、
なんだかんだ言っても、人にはどうしても楽しめない分野が
存在するのは仕方のないことです。

自分に向かないと思ったら、無理をしないことです。

ただ、「できない」という思い込みに固執するのも、もったいないので、
「楽しめるかもしれない」という予感がする人はチャレンジしてみてください。

[詳細情報]

＜こんな人にオススメです＞ 公式の暗記ばかりで物理が好きになれない 論理的な思考能力を鍛えたい 数式やグラフが何を表すのかイメージできるようになりたい 複雑な事柄をイメージを使って簡単に説明できるようになりたい 受験を控えているけど何をやっているのかサッパリ 物理の発展の歴史を簡単に知りたい 常識に囚われない思考能力を高めたい 物理って何のために勉強するの？ 受験生へのプレゼント